今回のテーマは「トイレの準備と覚えさせ方」です。

猫のトイレを用意しよう

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猫のトイレには様々な種類があります。フタがあるドームタイプのものや、屋根がないオープンタイプのものなどです。捨て猫がおびえている場合は、外から自分の姿が確認できないドームタイプのものを使用することをオススメします。


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ただし、保護した猫があまりに小さかったり、衰弱していてトイレの中に自力で入れないという場合は、猫トイレではなくあまり高さのないプラスチックの容器などを用意する必要があります。写真の猫・空ちゃんは、体も小さく、足元がふらついていたため、100円ショップで購入した文房具入れに猫砂を入れてトイレとして使用していました。

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また、猫トイレの数は猫の数+1個であることが基本といわれています。自宅にいる猫が1匹の場合なら設置する猫トイレは2個、2匹なら3個にするとよいでしょう。猫トイレの個数が多いと、すぐに排泄物を掃除できないときなど、別のまだ使っていないトイレを使うことができます。トイレが1個しかなく、猫が排泄を我慢してしまって泌尿器系の病気になることも多々報告されています。健康に長生きしてもらうためにも、個数は多めにするとよいでしょう。

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また、猫砂も同様に用意します。猫砂には次の種類があります。猫が好むものを使ってあげましょう。

・紙系…軽くて持ち運びやすい。固まりにくい場合もある。
・鉱物系…おしっこが固まりやすいが、ほかの猫砂に比べて重い。
・木系…おしっこの吸収がよい。素材が軽いので、飛び散りやすい。
・おから系…猫が誤って口にしても安心。トイレに流せるものも多数。
・お茶系…お茶の香りで排せつ物のにおいがしにくくなる。




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トイレの置き場所

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猫のトイレは、なるべく人が行き来するような場所には設置しないようにしましょう。安心して排泄できるよう、静かであまり人がいない場所での設置をオススメします。

それと、猫のトイレは常に清潔にしておく必要があるため、飼い主さんが掃除をしやすい場所という条件もあるとよいかもしれません。掃除の回数は、最低でも朝一回、夜一回。前回した排泄物が残っていると、猫がいやがってトイレ以外の場所で排泄してしまう危険性があります。

初めてのトイレ

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猫は、トイレに行きたくなったらウロウロしたり、部屋のにおいをかぎまわったりする習性があります。ペットショップや里親譲渡会でもらってきた猫だった場合、猫のおしっこなどが染みた猫砂をほんの少しだけもらい、それを自宅の新しい猫トイレの中に入れておくだけで、猫はそこがトイレだと認識してくれます。

ただ、捨て猫の場合は、猫砂が入った猫トイレで排泄するのが初めてです。少しそわそわし出したら、猫をトイレまで誘導してあげましょう。

トイレの猫砂の上に乗せたら、そのあとはその場から離れましょう。猫は排泄行為をじっと見られるのを好みません。トイレに乗せた後、猫がじっと座り込んだり猫砂のにおいをかいだりして、すぐには排泄しないかもしれませんが、しばらくはそっとしておきましょう。

しばらくして、トイレの砂をかいていい具合のポジションを見つけたら、きちんとおしっこをしてくれます。

猫は自分の居場所を知られないようにするため、においのある排泄物を隠す習性があります。よって、猫砂を手でかく「ザッザッ」という音が聞こえ始めたら、排泄が完了したという合図になります。その音が聞こえたら、速やかに排泄物を片付けてあげましょう。

自分で排泄できないことも

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ただし、いつまでたってもこの音が聞こえない場合は、自分で排泄できない可能性があります。猫の赤ちゃんは、自分で排泄できないので、母猫が陰部と肛門を舐めて排泄を促してあげます。

人間が行う場合は、ティッシュでやわらかくなでたりして排泄させるとよいでしょう。

トイレ以外で排泄してしまう場合は

基本的に猫には、トイレのしつけをする必要はなく、砂の入った猫トイレがあれば自動的にそこで排泄します。トイレ以外でしてしまう場合は、次のような要因が考えられます。

■トイレが汚い
猫は汚いトイレでは排泄しません。こまめに掃除をしてあげるようにし、猫砂自体も定期的にすべて取り替え、猫トイレも熱湯消毒やアルコール消毒してあげるとよいでしょう。

■猫砂が気に入らない
猫砂にはいろいろな種類があり、猫の好みも実に様々です。ある猫砂では排泄するのに、別の種類の猫砂に変更したら排泄しなくなった…ということも起こりえます。もし砂が気に入らないようでしたら変えてみるのも一つの手です。

■安心して排泄できない場所にトイレがある
家族が通る場所、外の大きい物音が聞こえる場所などに猫トイレが設置してあると、物音に驚いた猫は排泄しません。スキができやすい排泄は、猫にとって敵に狙われやすい行為です。大きな音などがすると、途端に排泄をやめるのは当然のことなのです。その場合は、猫のトイレを静かな場所へ移動してあげましょう。

■病気のサインである可能性も
その他、上記に当てはまらない場合は便秘や膀胱炎、尿道閉鎖などの病気である可能性があります。トイレに行って座り込んでいる、排泄しようとした際に悲鳴をあげる、何度も砂をかくしぐさをするが、結局排泄しないなどの行為が見られた場合は速やかに動物病院へ連れて行きましょう。

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今回保護した猫・空ちゃんは、すぐに自分でトイレを覚えてくれました。猫砂に特にこだわりはなく、紙製のものでもおからでできたものでもきちんと使ってくれます。そのものすごい食欲で、ぐんぐん体重を増やしていったので、先ほどご紹介した100円の簡易トイレはあっという間に使えなくなってしまいました。
 


猫らしくしっかり睡眠もとってくれるので、保護してから一年たった今、体重はなんと5.25kgに。保護した当初は体重わずか400gでした。
 

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