002


第三回のテーマは「捨て猫のためのご飯のあげ方」です。


子猫の月齢によって与えるフードが異なる

004
003



 

生後間もない子猫ならミルクを与えなければ。

ミルクからフードに切り替える目安は、「歯が生えてくる」こと。
歯が生えてくるころには、子猫の体重は通常450~550グラム程度に成長しています。
 

ただし、捨て猫の場合は栄養失調でここまでの体重に達していないかもしれません。
その場合でも、歯が生えているなら離乳の準備をしましょう。
歯が生えている状態でミルクを与え続けると、
猫用哺乳瓶のチクビの部分をかみ千切ってしまうことがあります。


 

005

今回保護された捨て猫・空ちゃんは、体が弱っていたため、
歯は生えていましたが消化によい猫ミルクで栄養を摂取していました。
体調が回復してからは、徐々にドライフードに切り替えていきます。


 

020

■生後3~5週…体重は450~550g。離乳の時期になります。
ミルクを与える回数を減らして、その分は猫用の離乳ペーストを与えるようにします。





スポンサーリンク



 

■月齢1カ月半…体重は700~800g。完全にミルクをあげない状態に移行。
ご飯は、離乳ペースト半分、ふやかした子猫用ドライフード半分の状態のものを与えます。

■月齢2カ月…体重は1kg。ご飯は、離乳ペースト半分、
ふやかさない状態の子猫用ドライフード半分の状態で与えるようにします。
徐々に離乳ペーストの量を減らしていき、
最終的には子猫用ドライフードのみで食べられるように誘導します。
 

保護した捨て猫の歯の生え具合や、週齢、体重などを目安に、
今の段階では何を食べさせるべきかを見極める必要があるといえるでしょう。

子猫用ドライフードを与える

ペットショップを訪れると、大人の猫のエサに混じって、
子猫用ドライフードが販売されています。
保護した猫が子猫ならば、子猫用のものを購入しま しょう。
大人の猫とは異なり、急激に成長する子猫にはより高カロリーの食事が必要です。
子猫用のご飯には、成猫用のものよりも、筋肉を作るためのたんぱく 質や、
骨などの形成に必要なミネラルがより多く含まれています。

また、子猫の口はまだまだ小さいです。小さな口でもかみ砕きやすいよう、
大人の猫のご飯に比べ、子猫用フードは一粒一粒がとても小さいです。

総合栄養食と一般栄養食


フードを選ぶ際は、裏面の記載にも目を通しておくと安心です。
猫用フードには「総合栄養食」と「一般栄養食」の二種類があります。
 

総合栄養食とは、お水とそのフードだけで十分に栄養を摂取することが
できるフードのことです。栄養バランスや消化吸収の効率の高さなども考慮されて作られています。

一方、一般栄養食とは、人間でいうところの「おかず」に該当します。
総合栄養食の補助として与えるためのフードです。
特定の栄養素を摂取することを目的につくられていたり、
あるいはご飯を食べない猫のために、猫が好むような風味がふんだんに盛り込まれていたりします。


 




保護されたばかりの捨て猫はとても弱っています。
一般栄養食ばかりを与えてしまうと、
体の発育に悪影響を及ぼします。購入の際は、十分注意が必要です。

ご飯を食べてくれない場合は…


保護猫の食が細い場合は、ドライフードではなくウェットフードを与えてもよいかもしれません。
ドライフードに比べて香りや風味がよいため、
このタイ プのフードならば食べてくれる可能性があります。
また、ドライフードと同様に、ウェットフードを購入する際も、
裏面に「総合栄養食」の記載があるかどうか もチェックしましょう。

フードの量り方


フードを与える際は、同じく裏面に記載されている給与量をきちんと守って与えましょう。
目分量で与えすぎてしまって肥満になってしまったり、
あるいはその逆で、給与量よりも少ないご飯を食べ続けてしまい、
食欲不振に気づけなかったという事態を防ぐことができます。

 

ただ、保護された捨て猫の場合、「次はいつ食べられるかわからない」と考えるためか、
一度に無理やりご飯を食べるケースが多いようです。写真の保護猫・空ちゃんも
同様のタイプだったので、一回で与える量は表記の量よりも少なめにし、
その分回数を多くして与えていました。
 

最近では猫のフードを量るためのカップなども販売されているので、
近くのペットショップで見かけたら使用を検討してもよいかもしれませんね。

猫はご飯を少量ずつ食べる

020


 

犬とは異なり、猫はご飯を少量ずつ食べます。

一気に食べなくても「食欲不振かも!?」とあせらなくても大丈夫です。
一般的にはこれを「少量頻回」と呼びます。

与える際は、1日2~4回に分けて与えるとよいでしょう。
また、ウェットフードを与える際は、夏場などは気温のせいで傷みやすいため注意が必要です。

その他の注意事項

その他、フードを選ぶ際は、下記の点をチェックしましょう。
 

・マグネシウムの量を見る
…マグネシウム量が多すぎると、尿石症の原因になります。特に男の子はなりやすいため、低マグネシウムをうたった商品を選ぶことをお勧めします。

・賞味期限を見る
…猫のフードにも賞味期限があります。特売だったからといって、大量に買ってしまうと、いざ食べさせようとしたときに賞味期限が切れていた、なんてことになりかねません。

・肉や魚の表記位置を見る
…原材料を見てみましょう。含有量の多いものから順番にかかれています。肉食の猫に必要なたんぱく質が、きちんと多く含まれているのかチェックが必要です。

食べるようなら猫草も少量与える

021
028



 

ペットショップに行くと、「猫草」というものが売っています。
猫がなぜ猫草を食べるのかは未だに解明されていませんが、
毛玉を吐くため、排せつを促すため、ただ単にし好品として食べたいため、などといった説があります。

保護した猫が食べるようならば、少量与えても良いでしょう。

猫が食べてはいけないもの


 

猫が食べてはいけないものの代表として、次のようなものが挙げられます。

・チョコレート
・お酒
・カフェインが含まれているもの(コーヒーや紅茶・緑茶)
・タコやイカ、カニやエビなど
・ネギ、タマネギ

タマネギを与えてはいけないことは有名ですが、コーヒーや緑茶、紅茶などは、飼い主さんが飲んでそのままにしてあるものを誤飲してしまう猫もいます。十分な注意が必要です。


たくさん食べたらたくさん寝る

030

猫の語源は、「寝子」であるという説があるほど、
猫は本当に良く眠ります。成猫ならば14~16時間、
子猫の場合は何と20時間も眠る子もいます。おきている時間の方が短いのですね。